緘黙症・いじめ―正子の場合―の感想 続きです。


この本では正子さんが

当事者に対してなんて声をかけるか

緘黙の子の親に対してなんて言うか

教師に対してなんていうか

書いてあります。


緘黙の子に対しては


自身の体験談を交えて優しく語りかけています。


緘黙の子の親に対しては


話すことを無理に強要しない様に

あまり厳しくしないで

何か自信を付けることをさせてあげてください。


教師に対しては


とにかく緊張させないように楽しい雰囲気づくりをしてください。



この本の著者の人は

口をきくように責めるという誤った熱心な取り組みは

間違っている。


じゃあどうしたらいいかと言うと

ケースバイケースで対応する。

緘黙の子のことを理解する

不安や緊張を和らげリラックスできる環境にする

教師との一対一の接触を多くして

少人数のグループ編成をするなどして

徐々にクラスになじませる。




教師の態度がクラスの子供にまで伝染する

緘黙に限らずハンディキャップのある子どもを

怒ったり冷淡な態度をとると

クラスでいじめが起きる。


だから教師は心身にハンディキャップのある子どもや集団活動に遅れたり

ついていけない子供がいたら

その子供を暖かい心で受け入れ思いやりや助け合いの気持ちをもって

子どもと接し学級運営をすることが望まれる。



全くその通りだと思います。

全くその通りだと思いますが

あくまで理想だと思う。



教師は子どもとともに遊び ともに話し合い ともに笑い悲しむ教師でなければならない。


確かにそんな先生だった理想だけど

さすがに要求が大きすぎると思う。


ほぼ熱中時代の北野先生だよ。

熱中時代と言うのは

水谷豊さんが主演した今から40年くらい前の学園ドラマです。




熱中時代のDVD-BOXを教師に渡して

「こんな教師になってください」と言ったらどうなるだろうか?

もともとの人間性の問題だから無理だと思う。

そんな先生は100人に一人いるか いないか くらいの割合だと思う。




そもそも無理やり喋らせようとした教師は

何を考えていたんだろうか?


決まりを守らせる 子どもを取り締まる。

そう言う思想を持った教師だとすると

理想的な対応を教えてもその通りに行動するとは思えない。



もともとの人間性は変えられないし

今までやってきた教師としての手法を

変えるのは難しい。


もし この本に出てくる教師たちに

この本の著者が書いてある

素晴らしい対応をしてくれれば

緘黙の子も話せるようになります。

と言っても対応してくれるとはとても思えない。



やるなと言われていることをやらないでほしい。

そう言う要求をしたほうが現実的だし

それだけで来たら上出来だと思う。


教師と言うのはあくまで仕事だからやっているだけだから

期待のし過ぎはいけないと思う。





家庭に対して

家庭の雰囲気を暖かく楽しいものにする。

学校で無理に話すことを強要しない。

家庭内で役割を与える

親しい友達との遊びを通して友達の輪を広げる


学校と家庭が協力して取り組むのが大切。



家庭の雰囲気が暖かく楽しいほうがいいに決まっているけど

これもその家庭の事情があるから難しいですよね。



でもこの本は1986年に書かれた本でも

実行さえできればとてもいいことを書いてあります。

理想と現実をうまく合わせることが大切だと思います。
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